2024年10月、広島発のユニークなインターンシップ「ネルコラボ」の第5期が幕を開けました。広島県内に留まらず愛媛にも拠点を拡大し、地域課題に取り組むインターン生たちが企業のリソースを駆使して新たな社会貢献に挑戦します。学生たちが持つフレッシュな発想と企業のリソースが交わり生まれるアイデアやビジネスプラン、そして現地での活動を通じて育まれる地域とのつながりを、今回は10月に行われた北広島町大朝でのキックオフ合宿の様子と共に詳しくご紹介します。
ネルコラボとは?地域社会とつながるインターンシップ
ネルコラボは、「企業に行かないインターンシップ」という新しい形式のプログラムで、大学生が企業と連携し、地域課題解決に取り組むことを目的としています。単なるインターンシップとは異なり、学生は企業リソースを活用し、現実の社会課題にアプローチする経験を積むことができます。
企業や社会人メンターからのサポートと指導を得つつ、学生が主体的にアイデアを出し合い、課題に挑むプロセスは、実際のビジネスを通じた実践的な学びの場となっています。
活動拠点の拡大:愛媛での新たな挑戦
今年で5年目を迎えるネルコラボですが、これまで培ったノウハウをもとに、さらに活動の幅を広げるべく、今年度から愛媛でもプログラムを実施。広島と愛媛の2拠点における同時展開で、さらなる地域貢献を目指しています。
10月から翌年3月まで、地域に根ざした課題に挑むインターン生たちは、愛媛・広島の2拠点でそれぞれの活動を進めていきます。
期間中の成果発表として、最終的には企業の社長に向けてビジネスプランを提案するという目標も設定され、地域活性化への熱意が高まるばかりです。
広島と愛媛が初めて集うキックオフ合宿:北広島町大朝での初顔合わせ
10月5日と6日、広島県北広島町大朝で、愛媛と広島からの参加大学生が集結し、ネルコラボ第5期のスタートを切る合宿が開催されました。
今回の合宿は、愛媛組と広島組の学生にとっての初めての対面。緊張感が漂う中、参加者たちはお互いの顔を覚え、意気込みを共有する貴重な時間を過ごしました。
ネルコラボの理念と目的を共有:学生の主体性を育む場
合宿初日、まずはネルコラボの理念やプログラムの詳細が紹介されました。
ネルコラボは、学生が主体的に行動する力を養うための場所であり、地域社会に根ざした課題解決に挑むことが重要な目的です。
そのため、学生にはただ指示を受けるのではなく、自分たちで考え、動く力が求められます
学生は「自分で考え抜くことの大切さ」を実感し、今後の活動への期待とやりがいを胸にスタートを切りました。
コンピテンシーの紹介と共有
続いて、学生たちが活動を進めるうえで求められる「コンピテンシー」についても説明がありました。
コンピテンシーは、主体的な行動を支える力として、ネルコラボが特に重視する要素です。
行動力や論理的な思考力、チームビルディングといったスキルを養いながら、地域の課題に対して実践的な解決策を考えていくことが求められます。この学びが、学生たちにとって社会に出た後も役立つ貴重な財産となることは間違いありません。
交流を深めるアクティビティ:モルックでチームワークを強化
午後の最初には、学生たちの距離を縮めるためのアクティビティとして「モルック」が行われました。北広島町は全国大会を開くほどモルック熱の高い地域で、今回のネルコラボ参加者にもモルックを通じた交流が大きな盛り上がりを見せました。
学生たちはチームごとに分かれて対抗戦を展開し、ゲームに熱中する中で互いの個性を知ることができました。最初は緊張していたメンバーも、笑顔を交えながら打ち解け、チームワークが強化される絶好の機会となりました。この交流により、次第に学生たちは互いに協力し合い、共通の目標に向けて歩み出す一体感が生まれました。
「グリーンヒルおおあさ」の活用事例を考えるワークショップ
モルックで心と体をリフレッシュした後、午後の活動として、宿泊先である「グリーンヒルおおあさ」の活用方法についてのワークショップが行われました。アイデア発想の方法を学び、各チームで意見を出し合いながら、地域に即した新たな活用案を練り上げていきました。
地域資源を生かしたプランを考案
「グリーンヒルおおあさ」の活用プランとして、学生たちは地域の自然や特性に着目し、さまざまなアイデアを発表しました。例えば、天文学サークルの合宿地としての利用や、部活動の合宿などの提案が挙がり、地域資源を活用した新たなビジネスモデルを考える力が試される場面となりました。ここでのワークショップは、学生たちのアイデアを生かす場としてだけでなく、地域の人々にとっても魅力的なプランが生まれる場として大変意義深いものとなりました。
夕食でさらに深まる絆:BBQと協賛企業のご馳走を楽しむ懇親会
1日目の締めくくりとして、協賛企業から提供された食材を使ったBBQ懇親会が開かれました。フーズアイ様からは豊富なお肉が提供され、青山社長から直接教わったお肉の焼き方で、さまざまな部位の肉を学生たちと共に堪能しました。また、マルブン様から提供されたパスタとピザも登場し、学生たちは長年の伝統が詰まった味に舌鼓を打ちました。
学生同士が協力して準備・片付け
BBQの準備や片付けでは、学生たちが協力し合い、手際よく作業を進めました。この協力作業を通じて、自然と絆が深まり、コミュニケーションの大切さを改めて実感することができました。この夜の懇親会は、学生同士の仲が一層深まる貴重な時間となりました。
2日目の学び:曽我教授による行動経済学
2日目の午前中は、愛媛大学の曽我教授から行動経済学について学ぶ講義が行われ、人々がどのような心理で行動するかについての理解を深めました。ビジネスプランを考案するうえで、心理的な要素や無意識の行動に目を向け
ることの重要性が説明され、今後の課題解決にも生かせる貴重な知識となりました。
地域との関わり方を学ぶひろしまジン大学 平尾氏の講義
続いて、ひろしまジン大学の平尾順平氏による「地域の入り方」についての講義が行われました。地域には「HIROSHIMA」という大きな視点だけでなく、そこに住む人々の生活や小さな活動があるということに着目し、地域に寄り添う姿勢が大切だと教えられました。平尾氏のメッセージは、今後の活動で地域と向き合う際に大切なポイントとして学生たちの心に刻まれました。
北広島町の地域資源を探る:フィールドワークで地域の魅力を発見
午後は北広島町のさまざまな地域資源を見学するフィールドワークが実施されました。空き家活用のアイデアや自然資源、地域施設の現状を実際に見て回ることで、地域の現状をより深く理解する機会となりました。学生たちはこのフィールドワークを通じて、実際の課題に触れ、今後の活動に活かせるインスピレーションを得ました。
愛媛・広島それぞれのテーマに沿った課題解決に向けて
このフィールドワークで得た経験をもとに、今後は愛媛・広島の2拠点に分かれて、それぞれのテーマに基づいた活動がスタートします。地域ごとの特色を生かしたアプローチを試みながら、実際に解決策を見出していく予定です。愛媛と広島、それぞれの課題を抱えた地域に向き合う中で、学生たちがどのように成長し、どのような成果を挙げるか期待が膨らみます。
2月に愛媛での合宿で再集合!互いの成果を持ち寄る予定
次回の集合は、2025年2月に愛媛で行われる合宿です。それまでの間、学生たちはそれぞれの地域で実際に課題に取り組み、独自のプランを練り上げていきます。愛媛での合宿では、互いの成果を持ち寄り、広島と愛媛の活動を融合させた新たな提案や発表を行う予定です。
今後の展望と期待
第5期のネルコラボは、広島と愛媛の地域をつなぎ、学生と企業が協力して地域課題解決に挑むプログラムです。次回の愛媛での合宿に向けて、学生たちは各地で日々の活動に励み、地域貢献に向けた熱意を持ち続けながら成長を続けています。地域に根ざした実践的な学びが、学生たちの未来を切り拓く原動力となることでしょう。
まとめ
ネルコラボ第5期のプログラムは、愛媛と広島の2拠点で展開され、地域課題を解決するための多彩なアプローチを模索しています。学生たちの成長と地域への貢献が融合するこのインターンシップは、地域社会と学生双方にとって新たな未来を開く貴重な場です。次回の合宿での新たな進展が待ち遠しく、引き続き目が離せません。