第4期ネルコラボ第4回はアイデア発想

 

10月7日、第4期ネルコラボの第4回が開催されました。その模様をお届けします!

ネルコラボとは?

ネルコラボとは、広島発の企業に行かないインターンシップです。

必要な知識・スキルは社会の第一線で活躍する専門家・経営者から学び、学んだことをもとに学生が主体となって地域課題を解決するプランを作成します。プランは作成して終わりではなく、先輩社会人からアドバイスを受けながら、何度も何度も練り直していきます。

普通の学生生活では絶対に経験できないことができる場所、それがネルコラボです。

第4回のテーマ

第4回のテーマは参画企業紹介とアイデア発想です。ビジネスプランを作成するための発想方法を学びました。

企業紹介

第4期では3つの企業に参画いただきました。
学生たちはこれから、この3つの企業のリソースを使いながら北広島町の地域課題の解決に取り組んでいきます。

本日は、こちらの3企業の代表にお越しいただき、学生に企業説明をしていただきました。

企業1「株式会社フーズアイ」

1社目は株式会社フーズアイです。フーズアイさんのコンセプトは「お肉で世の中を面白く!」
本日は、青山雅則社長にご登壇いただきました。青山社長は、広島・全国のテレビに出演した経験もあり、まさに企業のコンセプトを実施されている社長さんでした。

株式会社フーズアイは、食肉卸企業にもかかわらず、工場・トラックを持たない「ファブレス企業」という企業形態を持っています。似たビジネスモデルを展開している企業として上がったのがApple。そんな話の導入から学生たちは興味津々です。

企業紹介以外にも、青山社長の新入社員時代から独立までお話いただきました。主力サイトの1つである「カナダビーフ館」の変遷、青山社長がアメリカでBBQの修行をした話では、その過酷さから学生は驚きの声をあげていました。

そんな株式会社フーズアイからのミッションは「お肉×キャンプ場で食を通じた新しいアクティビティを提案せよ!」です。訪れた人が大満足するようなアクティビティのプランを期待しています!

株式会社フーズアイのHPはこちら
https://foods-i.jp/

企業2「株式会社マルブン」

2社目は株式会社マルブンです。マルブンは愛媛県で洋食レストランを経営する100年続く会社です。愛媛県に全部で5店舗、ピザを中心とした店舗を3店舗、海鮮丼を主力とした店舗を1店舗、そのほか通販サイトを経営している企業です。

2016年には、外食企業で初めて「日本でいちばん大切にしたい会社」の大賞を受賞したり、内閣府主催のクラウド実践 中四国大会にて最優秀賞を受賞したりと、一般的にイメージする飲食店とは少し違い、最先端なものを導入しながら食べることに対して価値を生み出す飲食店ということで、学生のイメージを超えるお話の数々に学生は驚きが隠せません。

株式会社マルブンからは、眞鍋一成社長にご登壇いただきました。眞鍋社長はマルブンの5代目経営者です。

株式会社マルブンの経営理念から取り組みまでお話しいただきました。地元の大学とのコラボ商品開発や、ご当地グルメの総選挙に出店など、精力的に活動しています。

そんなマルブンからのミッションは「マルブン×体験で新しいキタヒロの味わいを提案せよ!」です。北広島町でマルブンの商品が愛されるような売り方のプランを期待しています!

株式会社マルブンのHPはこちら
https://marubun8.com/

企業3「株式会社ネストロジスティクス」

3社目は株式会社ネストロジスティクスです。ネストロジスティクスは広島を中心に、全国21の営業所・出張所を展開している物流企業です。

家具の配送に関しては、50年以上の実績と経験のある老舗の物流企業。
ただ、最近では、ものを運ぶだけではなく、核家族化が進む中で、「ちょっときて」と言いづらくなった現代において、生活の身の回りのことを手助けするライフサポート事業をこれから精力的に取り組んでいくということでした。

株式会社ネストロジスティクスからは松岡賢一郎社長と堀松雅博様にご登壇いただきました。お二方からは企業理念や取り組みなどお話いただきました。ロジスティクス事業はもちろん、交通安全教室や花火大会も企画するなど、幅広く活躍されています。

そんなネストロジスティクスからのミッションは「ライフサポート×若者暮らしで若者に寄り添う新しい生活を提案せよ!」です。北広島町の古民家を使った新しい生活を支えるプランを期待しています!

株式会社ネストロジスティクスのHPはこちら
https://nest-logi.co.jp/

【特別講義】アイデア発想~アイデアはセンス~

午後からは、ネルコラボの研修恒例の特別講義です。第4回の講師は有限会社S-produceの下宮勇生氏です。下宮氏は学生時代からさまざまなモノ・コトのプロデュースに携わり、「楽しい」を作り出すために色々なアイデアを生み出し続けています。

そんな下宮氏に教わる今回のテーマは、「アイデアを考える方法」です。

アイデアは細分化→構成で考える

下宮氏からいきなり問われた言葉
「アイデアはセンスではなく、努力です。」

これまで、アイデアマンは才能がある人だと思っていた学生たちにとって、この発言は驚き。

下宮氏曰く、アイデアを生み出すためには、方法と枠組みを覚えないといけないということでした。

アイデアの元を見つける方法は「自分の周辺で起きていること」「好きなこと」「マンガ的発想をすること」の3つだと学びました。特に、デジタルだったものをアナログにしたり、難しいことを簡単にするなど、オズボーンのチェックリストを使い、逆転の発想で考えると、面白いアイデアが浮かびます。

その3つで思い浮かんだアイデアを今度は、単語レベルに細分化し、単語ごとに連想される言葉を思いつくままに書き出します。

例えば、「子供が楽しいおもちゃを考える。」だと
まず、単語レベル「子供」「楽しい」「おもちゃ」に分解します。
そのあとはそれぞれの単語から連想する言葉を書き出します。「子供」から連想する言葉だと「小学生」「純粋」「ヒーロー大好き」などなど。
最後に、これらの連想ワードを他の言葉から生まれた連想ワードと組み合わせて、新しいアイデアにならないかを探っていきます。

実際に学生はワークショップとして、「シルバー」という単語から連想される言葉を1分間で書き出すワークをしました。やってみると意外と連想する単語って見つからないものですね。

この時にも、「水平思考」と「垂直思考」の考え方を学び、関連ワードを増やすための知識も学んでいきました。

※水平思考:たくさんのカテゴリーから浅く広く考えること
 垂直思考:1つのカテゴリーを深堀りすること

 

後半のワークも白熱

後半に実施されたワークでは「北広島町」という単語を細分化・構成しました。途中グループを変えながら、学生と大人の混合グループは以下の手順に沿ってワークしました。

  1. 「北広島町」について知っていること・合宿(第3回)で発見したことを付箋に書き出す
  2. エピソードを交えながら付箋を模造紙に貼る
  3. 付箋を種類・カテゴリーごとに整理する
  4. グループを変えて、模造紙の内容を共有する
  5. 出したアイデアを共有し、メモする(否定はしない!)

各手順20分という制限があったのですが、各グループの模造紙には収まりきらないほどのメモが。グループで話し合う機会でも学生が率先して話を回していました。第1回から比較するとかなり成長しています。

最終的には、美容と自然を活用したアイデアや古民家を再生するアイデア、子供向けのアイデアなど、さまざまなアイデアが誕生しました。

学生の感想「アイデア発想は細分化が大切だと学んだ。最初に細分化をしたとき数個しか思いつかなかったが、考えに詰まったときは水平思考と垂直思考を変えて考えると細分化が進むと知ったので、今後は意識して考えたい。」

 

最後に

北広島町の情報をもとに、アイデア発想術を学んだ学生たち。社会で使う力は確実についています。

回の最後には、配属チームの希望アンケートが配られました。来月はどのチームに所属するか発表されます。今まで学んだこと、これから学ぶことを生かして、チームでも大活躍することを期待しています!

第4期ネルコラボ第3回は合宿!

9月18日と19日、第4期ネルコラボの第3回が開催されました。その模様をお届けします!

ネルコラボとは?

ネルコラボとは、広島発の企業に行かないインターンシップです。

必要な知識・スキルは社会の第一線で活躍する専門家・経営者から学び、学んだことをもとに学生が主体となって地域課題を解決するプランを作成します。プランは作成して終わりではなく、先輩社会人からアドバイスを受けながら、何度も何度も練り直していきます。

普通の学生生活では絶対に経験できないことができる場所、それがネルコラボです。

第3回のテーマ

第3回は北広島町で1泊2日の合宿を敢行しました。
これから活動していくフィールドになる、北広島町の現状や取り組み、抱えている問題などを肌で感じ、北広島町に関する情報をたくさん集めていきます。

1日目

1日目は田原温泉跡地の紹介から始まり、大朝のテングシデを見学しました。その後、北広島町をよく知る方のお話を聞き、北広島町の概要を知ったところで4つのグループに別れ、フィールドワークをしました。それぞれ学生が訪れた場所や、体験したことを紹介します。

 

キタヒロみんなのキャンプ場(田原温泉跡地)

田原温泉とは、北広島町にある小学校の旧校舎を改装してつくった温泉です。現在は閉館していますが、建物は当時のまま保存されています。

田原温泉とネルコラボの関係は深く、第1期ネルコラボは「もし、田原温泉が復活したら?」というテーマで学生がビジネスプランを作成しました。

現在は、グループキャンプ専用のキャンプ場(キタヒロみんなのキャンプ場)になっており、毎週子供ずれのファミリーキャンパー達でにぎわっています。

 

大朝のテングシデ集落

大朝のテングシデ集落とは、もともとまっすぐに育つはずの木が、ぐねぐねに曲がった状態で保存されている木の集まりです。突然変異によって曲がったとされるテングシデ。普通、突然変異は、1代で終わるのが通例にも関わらず、大朝では何代も続き集落を作ったという世界でもこの場所にしか存在しない貴重な自然の資源。周りの木はまっすぐに育っているのに、テングシデ集落の木だけはこれでもかというほど、曲がっています。

大朝のテングシデ集落は、広島県の文化財にも指定され、2000年には国の天然記念物にも指定されています。

 

土居田屋(北広島町の現状を知る)

今回、学生が宿泊した土居田屋では、土居田屋の管理人であり地元の交通会社、大朝交通の社長でもある堀田高広様より、北広島町・大朝地域について説明していただきました。

菜の花を使った事業や自転車を使った街づくりなど、さまざまな取り組みをされており、学生も興味津々の様子。

後半には堀田様の取り組みに関することから、都会と田舎の違いまで、幅広く質問が学生から飛び交いました。北広島町をこれからもっと知るとともに、ビジネスプランの足がかりを真剣に探っていきます。

 

フィールドワーク

午後からは4つのグループに分かれ、北広島町をより深く知るために出かけます。

ただ、出発前に突然の豪雨…。
屋外でのフィールドワークもあるため、出発前はあわただしくなりました。
フィールドワーク後半には晴れましたが、移動が大変だった…。

 

サイクリング

サイクリングチームは、O.M.Sというレンタルサイクリングを行っている施設の説明を受けた後、雨のため当初のコースを短縮してサイクリングしました。

ガイドの方からは、広島の災害と鉱業の関係を織り交ぜながらお話いただきました。

【学生の感想】
「E-BIKE(自転車)で旧道や自然の中を走る楽しさ、爽快さ、気持ちよさ。どれも鮮明に思い出せるほど素晴らしかったです!もう一度、自然の中を走りたいと思えるサイクリングでした!」

 

林業体験

林業体験チームは、地元で林業を行う、大内林業の大内良三様からお話を伺いました。

林業は木を伐採する機会が多いのですが、自然や暮らしを守るために重要なことだとお話いただきました。

後半には、丸太をチェーンソーで切断する体験や斧を使った薪割り体験などをさせていただきました。映像などでみたことはあっても実際にチェンソーなどを初めて触る学生達は、体験中笑顔ながら「怖い!怖い!」と言っていました。

学生の感想】
「林業体験では、木を切ることは本当にいいこと?という問いかけから、林業が担う環境への役割を学ぶことができました。また、実際にチェーンソーで木を切る体験を通して、自然の力強さを感じることができました。」

 

養鶏所

養鶏所チームは、ふぁーむbuffoで岩崎奈穂様より、養鶏所で使われているエサを地域のもので作っていることや、鶏にもたくさんの種類があることをお話いただきました。

敷地内で運搬車の上に載せてもらったのですが、振動が直に伝わり、アトラクションに乗っているみたいでした。

【学生の感想】
「私は養鶏所に行くこと自体初めてだったので、とても良い経験になりました。地域循環型農業ならではの苦労や大変さ、やりがいなどさまざまなことを学ぶことができました!」

 

酒造

酒造チームは、平成31年に13年ぶりに復活した酒造、福光酒造に伺い、蔵元の福光寛泰様と、地元の酒屋、かけや酒店の加計智紹様に、昔から今に至るまでの話やどぶろくにかける思い、地元を盛り上げるために仕掛けているお祭りや地域の交流などのお話をしていただきました。

【学生の感想】
「普段かかわることのない酒造について学ぶことができた。酒造についてヒアリングする機会もこれまでなかったため、貴重な機会になった。」

 

懇親会

懇親会は土居田屋で盛大に行われました。

夜ごはんには、今年のネルコラボの参画企業(テーマ出し企業)でもある株式会社フーズアイが販売しているお肉と、株式会社マルブンが販売しているピザ・パスタをご提供いただきました。

普段は味わえない絶品料理の数々に、その場にいた全員が舌鼓を打っていました!

2日目

2日目は北広島町の現状・課題をより深く知るためのヒアリングから始まり、芸北地域のスキー場や、地域の森林を守る活動をしているNPO法人へ向かい、取り組みや課題を聞きました。

 

土居田屋(北広島町を深く知る)

北広島町の現状や課題を深く知るために、2グループに分かれヒアリングしました。1グループは1日目に大朝地区の現状を紹介いただいた堀田様、もう1グループはコンビニ・飲食店などを経営している細山力生様にヒアリングしました。

学生は第2回に講義で学んだヒアリング術を使い、北広島町の現状・課題をより深く知ろうと努力しました。お二方がお話しする内容がだんだんと濃いものになっていたため、成果が出たのではないでしょうか。

【学生の感想】
「お話を聞き、田舎でもできることがあることと、田舎だからできることの両方があると感じた。そして、自分(堀田様、細山様)の故郷を盛り上げたいという熱意が、さまざまな取り組みをする中での力となっていると感じました。私もお二方の熱意に応えられるように頑張っていきたいと決心しました!」

 

やわたハイランド191リゾート(スキー場)

やわたハイランド191リゾートは、北広島町にあるスキー場です。今回はスキーをするわけではなく、シーズンオフのスキー場の状況・運営について、田辺 俊則様よりお話いただきました。

シーズンオフは設備の管理業務がほとんどであることや、スキー場の経営は難しく顧客のニーズを考えて経営することが必要だと学びました。

オフシーズンのスキー場について普段は知れないため、学生はロビーに入ったときから周辺を見回していました。

 

薪活の取り組み

薪活とは、地域の里山の木を使った薪で豊かな暮らしを推進する活動です。薪活を含め、北広島町の自然について認定NPO法人西中国山地自然史研究会の八木洸也様よりお話いただきました。NPO法人では、里山の木を通貨で買い取る「せどやま再生事業」に力を入れているとのことです。

食物連鎖の話の際にフクロウ・鷹の模型が登場したときには、あまりの大きさとリアルさに学生は驚いていました。

後半は場所を移動して、実際に薪を作っている工場を見学しました。薪を作る作業の一部を体験したり、薪に直接触れることで、里山との付き合い方を学びました。

【学生の感想】
「薪を作る機械は簡単に操作できるけど、薪の形にしようと思ったら難しかった。」

 

最後に

1泊2日とかなり長い時間をかけて、北広島町の現状や取り組み、抱えている課題を肌で感じた学生たち。もしかすると、すでにアイデアが浮かんでいる学生もいるかもしれません。

これからどのようなアイデアが出てくるのか、最終的なビジネスプランはどんな内容になるかとても楽しみです!